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■四川のうた/二十四城記

消え行く工場の労働者へのインタビューを虚実交えて描く意欲作。
『長江哀歌』のジャ・ジャンクー監督最新作。

2008年/中国、日本

監督:ジャ・ジャンクー(『長江哀歌』『世界』)
出演:ジョアン・チェン(『ラスト・エンペラー』)、リュイ・リービン(『古井戸』)、チャオ・タオ(『世界』『長江哀歌』)

配給:ビターズ・エンド、オフィス北野
公開:4月18日よりユーロスペースにて
上映時間:112分
公式HP:www.bitters.co.jp/shisen/

 
■ストーリー
 
四川省の成都。そこで50年にわたり繁栄してきた国営工場「420工場」の歴史に、今、幕が下ろされようとしている。工場は移転し、跡地は再開発されてマンションや商業施設に変わるのだ。かつてこの工場で働いていた労働者たちが、それぞれの思い出をカメラに向かって語り始める。1957年の瀋陽からの移転、軍需景気に沸いた時代、文革、そして労働者の子供たちの時代…。工場にかかわった人々の言葉から、中国現代史の一面が見えてくる。
 
■レヴュー
 
『世界』『長江哀歌』と独自の世界を表現し、今や世界的な監督といってもいいジャ・ジャンクー監督。今回は消え行く工場を題材に、そこで働いていた本物の労働者たちへのインタビュー以外に、多くのインタビューから作り上げた架空の労働者のインタビューも混ぜ込み、個人の視点から中国現代史を浮かび上がらせようという大胆な試みが行われている。創作上の労働者たちは、『ラスト・エンペラー』のジョアン・チェンや、ジャ・ジャンクーの全劇映画に出演しているチャオ・タオらの俳優らによって演じられるが、よくある再現映像ではない。ただ「カメラの前で語る」という点では他のシーンと変わらない点が面白い。軍事工場として出発し、軍需景気後は家電の製造へと移行、やがて商業地域やマンションへと変わっていく国営工場は中国そのものと考えられ、ならば「そこで働く人々へのインタビューの真意は?」と、深読みできる内容だ。(★★★前原利行)
 
■関連情報
 
本作の撮影監督は二人。実際の労働者へのインタビューなど、ドキュメンタリー部分を担当しているのは『プラットホーム』『長江哀歌』などジャ・ジャンクー作品すべてに関わっているユー・リクウァイ。監督としても『天上の恋歌』やオダギリ・ジョー主演の最新作『PLASTIC CITY プラスティック・シティ』を撮っている。もう一人の撮影監督ワン・ユーは、『たまゆらの女』『呉清源 極みの棋譜』などで知られ、本作では俳優たちの演じるフィクション部分の撮影をしている。
■DVD情報
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