旅行人ウルトラガイド
客家円楼
岡田健太郎 著
定価:本体価格1200円+税
(税込価格1260円)解説
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客家円楼(クーチァーユェンロウ)客家円楼は、永定から広まった
【主な分布地域 福建省…永定県・南靖県】
「ショウ州円楼」で述べたように、円楼は、実は客家ではなく、福建人が考え出した建築である。客家人が書いた本を読むと、よく円楼は客家が創造した唯一無二の建築物であるなどと自慢げに記述しているが、それは全くの間違いである。
ショウ州地区の福建人が、倭寇の襲撃から財産を守るために円楼を築きはじめた頃、福建省の長汀から南下して永定県に移り住んだ客家の一派は、まだ五鳳楼や方楼に住んでいた。先にも述べたように、永定県は、汀州地区と比べると山がちで、土地も少ないために農業だけで生計を維持するのは困難であり、商人として外地へ赴く者もではじめた。商人としてショウ州を訪れた彼ら永定客家は、そこで倭寇の襲撃にも容易には陥ちないという円楼建築を見て、早速それを自らの建築に取り入れたのである。
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もちろん、そっくりそのままショウ州地区の円楼を真似たのではなく、自らの生活スタイルに合わせて工夫している。外観は円形となったものの、その内部は、従来からの方楼の基本構造をそのまま生かしている。ほとんどの円楼は、方楼の場合と同じく、1階の外縁部は、厨房と食堂。2階を倉庫。3階以上の階を居室として使っている。2階以上の部分には走馬廊という木製の回廊が取り付けられ、住人同士の行き来の便をはかっている。階段は、大型の円楼で4カ所、小型のものでも2カ所取り付けられている。大型の円楼の場合には、二重、三重の同心円を形成し、その中央部に祖堂。祖堂をとりまくように、家畜小屋や客室を配置している場合が多い。