アジア雑語林(131)〜(140) |
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アジア雑語林(140) 2006年3月25日
テレビの話(2) 深夜放送 いままでのすべてのテレビ番組のなかで、最高傑作をひとつ選ぶなら、「EXTV大阪」
(エックステレビ大阪と読む)を選定したい。どうしようもない11PMが終わって、そのあとに登場した番組だ。構成は11PMと同じように、東京・日本テ
レビと大阪・読売テレビと交互の放送で、大阪版が週2回あった。
なぜこの時代に突然深夜放送が活発化したのかよくわからないが、とにかく魅力的な番組が続々と登場した。 ※深夜放送のことをネットで調べていたら、フジテレビの往年の深夜番組は現在、スカイ パーフェクトTVで再放送しているそうだが、私は見られる環境にない。でも、見られたら見るかな。「おもしろかったよな」という記憶とともに、そのままに しておいたほうがいいような気もする。
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アジア雑語林(139) 2006年3月15日 テレビの話(1) 野球音痴 思い出に残るテレビ番組というのはいくつかあるが、一切の文句なしに「名品、傑作、絶
品」と賞賛できる番組はそう多くない。子供時代はあまりテレビは見なかったし、旅に夢中になっていた青年期は資金稼ぎと旅行で、テレビなどほとんど見てい
ない。だから、比較的テレビを見るようになったのは、旅行者からライターに変身しつつあった1980年代末あたりからだ。
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アジア雑語林(138) 2006年3月4日
闇ドルの時代とアメ横 東京の上野駅と御徒町駅(おかちまち)の間にアメ横がある。戦後まもなく、闇市でサツマ
イモを原料にしたアメを売る店が多かったことから、このあたりがアメヤ横丁と呼ばれたものの、進駐軍の横流し品が売られるようになるとアメリカ横丁と呼ば
れたらしい。アメヤでもアメリカでも、略せば同じアメ横だ。
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アジア雑語林(137) 2006年2月24日
2005年 出版社別購入書ランキング 小学生時代からつけている図書購入台帳をひっくりかえして、今年もまた2005年の図書購入事情を探ってみようと思う。目的は、ない。有用な利用法もない。ただのひまつぶしである。 さて、出版社別購入書のランキングだ。
例年ならベスト10に入っていた朝日新聞社は、幻冬舎、晶文社、角川書店と並んで5冊で同数11位。
あまり多くなるので以下省略するが、ベスト3を選ぶなら次の3冊。
2006年も、こういうすばらしい本に出会いたい。
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アジア雑語林(136) 2006年2月16日 日本人にとっての言語のメジャー度・マイナー度 情報センター出版局が「指さし会話帳」のシリーズの第一巻「タイ」が出たのは1998年
で、それ以来言語ガイドにおける「地球の歩き方」化するという大成功をとげている。「地球の歩き方」が、「よくもまあ、こんなマイナーな国を・・・」と驚
くような国まで取り上げているように、「指さし」もまた少数言語も取り上げている。 1200円 1300円 1400円 1500円 1600円 1700円 1800円
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アジア雑語林(135) 2006年2月8日
日本のタイ料理店 年に一度くらい、「日本におけるタイ料理店の現状」をインターネットで調べている。日本
のタイ料理店リストが載っている「タイカレーが好き」というサイトを、今年も覗いてみた。昨年と比べると、タイ料理店の数が減っているような気がするが、
昨年プリントアウトしたものが発見できないので、比べようがない。 1、東京(226軒) 人口の多い大都市圏にタイ料理店が多いのはわかるが、長野県の存在が異色で、その理由は
わかる人にはわかる。東京のタイ料理店は見たとおり多いのだが、これはイタリア料理店やインド料理店などと同様に、東京だけが異常に多いのか、あるいはタ
イ料理店だけに見られる顕著な傾向なのか、私にはわからない。
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アジア雑語林(134) 2006年1月25日
面積遊び ある大金持ちの邸宅の広さを、例えば「東京ドームとおなじくらいの広さ」とか「日比谷公園と同じくらい」などと説明することがある。これでわかるのは、とにかく広いということだけであって、具体的にはなにもわからない。日比谷公園を知らない人には、想像できない広さだ。
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アジア雑語林(133) 2006年1月12日
快傑ハリマオまでの戦後史 このシリーズは前回で終了の予定だったが、書き終えた直後にある資料を読んだので、ぜひとも追加原稿を書かなければいけなくなった。
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アジア雑語林(132) 2005年12月22日 快傑ハリマオまでの戦後史 「豹の眼」の後を受けて放送されたのが「快傑ハリマオ」、そして「快傑ハリマオ」にやや
遅れて60年7月から放送が始まったのが、千葉真一主演の「アラーの使者」だ。川内康範の原作で、中東にかつてあったカバヤン王国の秘宝を巡る物語。カバ
ヤンというのは、番組スポンサーがカバヤ食品だったからで、ナショナルキッドと同様に、現在から見ればあまりに露骨な宣伝にアゼンとしてしまう。プロレス
のリングに掃除機をかけていたのは、小学校低学年のガキでも「あまりに、あざとい」と感じていた。スポンサーが三菱電機だったから、電気掃除機なのだ
が・・・・。 1、経済力・・・・森繁久弥主演の社長シリーズというのがある。1962年の「社長洋行 記」では香港に、63年の「社長外遊記」ではハワイでロケしている。映画のなかで社長が業務渡航しているように、現実の世界でも社長たちが外遊する時代に なってきた。日本の経済力も、戦争が終わって15年たち、ようやく回復してきたわけで、映画やテレビの世界でもそろそろ外国に行くようになった。戦前は軍 事力によるアジア進出だったが、今度は商行為としてのアジア進出だという気分が、戦後15年の1960年だ。 2、協力体制・・・・映画界では、香港のプロデューサーと組んで共同制作する体制ができたため、日本側の失費が少なくてすむようになった。 3、パンナム・・・・アジア航路を確固たるものにしたいパンナム(パン・アメリカン航空) は、テレビや映画などとタイアップすることで航空運賃がタダになり、パンナム機は映画に登場して宣伝した。テレビの「兼高かおる世界の旅」は、パンナムの バックアップがあって初めて実現した番組だった。 4、オリンピック・・・・1964年開催予定の東京オリンピックは、戦後初めて「日本を外 国に発信する機会」だということを多くの国民はわかっていた。そういうハレの場が近づくにつれ、日本国内も「外国」がブームになってきた。英会話ブームで あり、旅行書ブームでもあり、日本人は海外事情に強い関心を示していた。そういう時代だった。 5、復古ブーム・・・・「豹の眼」が昭和初期の「少年倶楽部」連載小説を原作にしているこ とでわかるように、「快傑ハリマオ」もまた、戦前の「日東の冒険王」(南洋一郎)や「亜細亜の曙」(山中峰太郎)など少年向け冒険小説の焼き直しだと考え ればわかりやすい。 「復古」というのは、もちろん製作者側にとっての話で、過去を知らない少年たちにとっては「復古」された過去もまた新しいものだっ た。60年代の少年雑誌には、戦艦大和、ゼロ戦、紫電改などが登場するマンガやカラーイラストがよく登場していた。当時の少年たちにとっては初めて目にす るものではあるが、戦前の「少年倶楽部」世代にとっては、それが復古だったのである。 考えてみると、少年マンガに戦争や軍人が多く登場するのは、東京オリンピックが開催された1964年ころまでではないかという気がする。調査した結果ではなく、ただ「なんだか、そんな気がする」というだけのことなのだが、どうもそんな気がする。 参考文献
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アジア雑語林(131) 2005年12月14日
快傑ハリマオまでの戦後史 ハリマオこと谷豊が死に(死因はマラリアではなく、秘密保持のため日本の軍部に殺された
という説もある)、戦争が終わってからも、「ハリマオ」はしばしばマスコミに姿を見せた。テレビ映画の「快傑ハリマオ」と、石森章太郎のマンガ『快傑ハリ
マオ』などだが、その前に触れておかなければいけないテレビ番組がある。
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