アジア雑語林(111)〜(120) |
|
アジア雑語林(120) 2005年9月14日 写真の力(3) カメラマン VS ライター 理屈ばかりの話が続いたので、今回は方向を変える。 カメラマン(以下、カ) ライターって、安上がりでいいよな。紙と鉛筆があればいいんだろ。200円か300円もあれば、とりあえず始められる商売だろ。 ライター(以下、ラ) まあ、極端にいえば、そうだな。 カ だろ。ところが、カメラマンとなると、どういう写真を撮るかによるが、機材をそろえるのに最低50万か100万くらいのカネはかかる。最低だぜ。機材が 増えれば、アシスタントが必要になり、クルマもいる。文無しじゃ、カメラマンにはなれないんだよ。少なくとも、借金できるだけの信用は必要さ。 ラ 初期投資費用がかかる というのは認めるが、あとは楽だよな。ライターとカメラマンがいっしょに取材に行くとするじゃない。取材を終えたその日に、カメラマンの仕事は終わりだ。 しかし、ライターはそれから資料を集めて、読んで、考えて、原稿を書いてと、仕事はまだまだ続く。原稿料が同じとすれば、拘束される時間があまりに違うだ ろ。カメラマンが次ぎか、そのまた次の仕事をしているというのに、ライターはまだ「あの原稿」を書いているということもあるわけで、経済効率のわるい仕事 さ。 カ カネがかかるから、手 早く終えないといけないわけだ。ライターが楽だと思うのは、現場に行かなくたって、仕事ができることだ。電話取材だって可能だし、資料を読むだけで原稿が 書けるだろ。カメラマンはそうは行かない。どんなに苦労しようが、現場に行って、写真を撮らないといけない。「撮れませんでした」じゃ、話にならない。ラ イターは、カメラマンが死ぬ思いで撮影した写真を眺めて、ちゃらちゃらと原稿を書けば、それで仕事になる。 ラ まあ、たしかに。ピラミッドを実際に見たことなくても、「ピラミッドのミステリー」なんて原稿は書けそうだけど、カメラマンは現場に行かないと仕事にならない。でも、現場に行って撮影すれば、それで終わりだよな。 カ 撮影できればね。天候が悪い。撮影許可がでない。いいアングルのために、山に登らなきゃいけないとか、いろいろあるわけで、ただシャッターを押せばいいというわけじゃない。 ラ でもさ、シャッターを押せばいいということはあるよ。カメラの世界は技術革新のおかげで、素人だってフルオートの撮影でそこそこの写真が撮れる。文章には、そういう楽な機械はないよ。素人でもボタンを押せば、そこそこの文章ができてくる機械なんてないよ。 カ カメラマンはライター と違って、匿名性という特徴があるんだよ。ライターというのを小説家やノンフィクションライターなどのこととして、売れればそれなりに有名になるでしょ。 高額所得者のランクに名を連ねる。ところが、カメラマンの場合はどんなに売れても、一般人にも有名なのはいつまでたっても篠山、立木、浅井など数人で しょ。写真集というのはミステリーのようには売れないから、書き手のトップクラスと比べれば印税はたいしたことがない。カメラマンには印税生活というの は、そう多くないんじゃないかな。 ラ 新人の場合、素人の文 章がすぐ単行本になるという例はいくらでもあるけど、いきなり写真集が出るというチャンスは、そうそうあるもんじゃない。そう考えると、駆け出しの場合、 ライターのほうが楽ということになりそうだけど、カメラマンの方が適応性があるでしょ。マンガに詳しいライターには化粧品の原稿は書けないけど、カメラマ ンの場合は水中写真とか昆虫写真とかいう特殊な写真でなきゃ、どんなものでもある程度は撮影できるでしょ。もちろん、得意、不得意はあるだろうが。 カ ライターがうらやましいと思うのは、どこに住んでいても仕事ができるでしょ。雑誌で仕事しているカメラマンは、基本的に東京の便利な場所に住んでいないといけないけど、ある程度売れたライターなら、東京に住んでいる必要はない。 こんな話をした時代は、原稿はファックスで送れるが、写真は郵便を使うしかなく、時間がかかるし、安全性にも問題があるという問題があった。現在は、文章はもちろん写真もコンピューターを使って送ることができるようになった。
|
|
アジア雑語林(119) 2005年9月7日 写真の力(2) テレビの絵 テレビでドキュメントや紀行番組を見ていて、「もしこのテーマを活字媒体で発表するなら、何ページもつかなあ」と考えることがある。テレビでは1時間番組になっているが、その番組のために取材した材料で、どれだけの原稿が書けるだろうかという疑問である。
|
|
アジア雑語林(118) 2005年8月30日
写真の力(1) 貧乏取材 写真撮影など、もともと好きではない。撮影の必要などなければいっさい撮らない。別の言い方をすれば、カネにならない撮影はしないのである。
|
|
アジア雑語林(117) 2005年8月18日
中国と新聞 朝日新聞を読んでいて、「あれっ?」と思った。つい先日のことだ。新聞の国際欄にある中国の記事に、部分的にルビ(ふりがな)がついていたのだ。人名や地名などすべての固有名詞にルビがついているのではなく、選別方法は不明ながら、一部にルビがついているのだ。
|
|
アジア雑語林(116) 2005年8月7日
バイリンガルがうらやましい 現在しゃべっている言葉以外の言葉もしゃべれる人が、うらやましい。それはなにも外国語である必要はない。日本語でいいのだ。
|
|
アジア雑語林(115) 2005年7月29日
ローマ字表記はややこしい (2) さて、日本にも問題がある。ネット上の意見を読んでみると、日本におけるローマ字の問題がいろいろ論じられている。ヘボン式がどうだ、訓令式はどうだという意見があり、私もそれなりに意見はあるが、ここでは人名や地名の表記だけを考えたい。 その1 飾りのローマ字はいらない。 その2 発音に近い表記にせよ
※アジア文庫・ONOの蛇足
|
|
アジア雑語林(114) 2005年7月19日
ローマ字表記はややこしい (1)
チョウチョウを旧仮名遣いでは「てふてふ」と書く。これをそのままローマ字で「TEHUTEHU」と書いて、外国人にチョウチョウと読ませるには無理があ
る。非ローマ字言語をローマ字で表記するということは、その言語が使用する文字を読めない人に、どういう音なのかを伝えるためだ。もちろん、正確になど伝
えられないのだが、だいたいの音を伝える意義はある。私の常識ではそうなるのだが、世間の常識はそうなっていない。
|
|
アジア雑語林(113) 2005年7月9日
ふたたび、ニッポンが嫌いだ
このコラムの2004年11月19日号に、「ニッポンが嫌いだ」という文章を書いた。「日本」を「ニッポン」と無理やり発音する放送局を批難し、こんな日
本語を耳にしたくないという趣旨だ。「日本」はすべて「にほん」でいいじゃないか、無理して「ニッポン料理」などと呼ばないでいいじゃないか。そう書い
た。そして、「私のこの意見は、けっして少数のものとは思わない。日常生活では「にほん」と発音する方が多いような気がする」という文章で終えた。
「日本一」と「日本代表」が上位に来ている理由は、スポーツアナウンサーの愚行のせいだ
ろと思う。サッカーとオリンピックがいけない。「日本一」は、日本人の77%は「にほんいち」と発音している。それなのに、民に教え諭す方針なのか、放送
ではめったに「にほん」とはいわない。「日本人」にしたって、98%は「にほんじん」と発音しているのに、例えばNHKニュースではどうしても「ニッポ
ン」と呼びたいらしい。
|
|
アジア雑語林(112) 2005年6月28日
恒例 2004年出版社別購入書籍ランキング 以前、一年間に買った本の出版社別ランキングを発表したような気がするのを突然思い出 し、2004年版をやってみようと思った。総数が何社になるのかカウントするのは面倒なので省略するが、とにかくそのベスト10を調べてみた。「ベスト」 というのは、ただ単に数が多いということであって、その出版社や出版物の「ベスト」ではないので、その点誤解のないようお願いします。
単行本のほかに、文庫や新書、そして選書などをそろえた出版社が優位に立つという点では、講談社や新潮社がトップクラスになる理由は明らかだが、文藝春秋が健闘しているのは、私が文春文庫が好きだという傾向があるからだろう。
「昔ならもう少し多かったはずだが」と思うのが、朝日新聞社の本だ。出版広告を見ても、最近ではさっぱり食指に触れない。まるで買わないわけではないが、5冊を超えることはないと思う(いかげんな記憶だが)。
|
|
アジア雑語林(111) 2005年6月19日
反韓パソコン 私のパソコンは、ちょっとおかしい。私のだけがおかしいのかどうか、わからないが、とにかくおかしのである。このWindowsXP
Home Editionは。 P.S.
|
|